「この日記は、読まないほうがいいかもしれません。」という一文から始まる時点で、すでに空気が重い。
廃病院での二泊三日、図面にない地下室、巨大なカラスが肉をついばむ光景——派手なジャンプスケアではなく、日常のすぐ隣に潜む「おかしいもの」が、静かに染み出してくる描写がとても上手いです。特に印象的だったのは、綾香が逃げ帰った後の学校生活。
飯田と太田の変化が「急に壊れる」のではなく、日常の会話や仕草の中で少しずつズレていく過程が、日記という形式だからこそ生々しく伝わってきます。青春の青臭さや三人の関係性がしっかり描かれている分、異変がより怖く感じられました。残酷描写・暴力描写ありとのことですが、 goreを前面に押し出すというより、「人間が壊れていく過程」そのものを観察するような冷たい視線が続いていく点が、この作品の芯だと思います。
最後に残るのが「一冊の日記だけ」という結末の予感も、すでに十分に怖い。連載中とのことなので、これからも綾香の記録がどこまで深く沈んでいくのか、静かに見守っていきたい作品です。
ホラー好きで、じわじわ系の空気感を好む人には特におすすめです。