自分が写っていたはずの場所に、知らない女がいる——しかも家族はその女を“昔からの家族”だと言い張り、投稿者本人だけが世界から抜け落ちていく。この設定の不気味さがまず強烈。写真もデータも改ざんされていないのに、記憶だけが書き換わる。忘れることと忘れられること、そのどちらがより恐ろしいのかを突きつけられる。手がかりを集める二人の焦りや、土地に残る小さな言い伝えがじわじわと輪郭を持ち始め、日常の裏側に潜む“家族の作り方”の異常さが浮かび上がる。静かで確実に怖い一作。