好きな人の「いい友達」でいるしかなかった、そんな感じ。共感してしまいました。
好きと言えば見返りを求めてしまう。黙っていれば本心を誤魔化してしまう。どっちもズルい。そんな気持ちに、読みながらハッと気付かされます。
そして、その好きになんとなく気づいていそうな女の子も、きっと同じくらいズルい。でも、そのズルさがとても人間らしくて、愛おしい。
うん、共感してばかりです。
そして、短歌がとっても魅力的で素敵なんです。タイトルにもなっている一首には、胸がきゅっとなりました。
ひとそれぞれ受け取るものが違うんだろうけど、そういうのも良いですよね。
読み進めるうちに、大きな空や時間の流れの中にいる、ちっぽけな自分を感じます。だからこそ、最後が、とてもまっすぐに響いて、胸に刺さりました。
読み終えたあと、しばらく空を見上げたくなる。そんな心地よい余韻をくれる作品です。片思いをしたことのあるすべての人に読んでほしいです。
あ、上手くいってるひとにも、とにかくお勧めです。ぜひ、読んでみてください。
短歌1首ごとに、
3、4行の散文詩が添えられていて、
その距離感が不即不離というのでしょうか、
絶妙な息づかいが感じられる作品です。
恋の記憶の中の喜びと痛みが、
短歌と散文詩の連弾で描かれていて、
その余韻と余情には、
胸を打つものがあります。
5首目。
さよならという花束買いにいくから、もう少しだけ話そうか
これは切ない。
恋の終わりの場面でしょうが、切なすぎる――。
上の句の「さよならという花束買いにいく」が、
さりげなけれど美しい比喩です。
そしてそれを買いにいくからという、
理由になっていない理由が眩暈のように揺らめきながら、
「もう少しだけ話そうか」へ流れ込んでいく、
情感豊かなこの1首は特に痺れました。
それでも、
最後の7首目では、
「つなぐ手の寂しさ好きだった」と、
過去を抱きながらも未来へ進もうとする気配が感じられて、
決して暗くなりすぎない着地に救われる思いがしました。
恋とは何か?
愛とは何か?
改めて考えさせられる、
回想の中の君への、
御しがたい思いを繊細に紡いだ短歌集になっています。
あるいは、
恋愛短編として、
味わってみるのもいいのかもしれません。
【レビューコンテスト応募】