入浴中に意識を失ったOL。気が付くと謎の空間で神の使いと相対しており、謎の契約書にサインさせられる。そうして転生した先は、お気に入りの小説『聖女のナミダ』の登場人物である第一王女エスティアだった。小説の筋書き通りなら、エスティアは暴君として君臨した後、反乱によって殺される。運命を回避すべく動き始める主人公だったが、そんな彼女を愛していると言って付きまとうのは、反乱を起こしエスティアを殺害するはずのレジスだった――。
サスペンス色の強い悪役令嬢転生もの。
まず、主人公が転生するエスティアという第一王女の生い立ちからして不穏な点が多い。王女でありながら、周囲にその存在を知らされず「人形姫」という仇名で呼ばれ
疎まれている彼女はいかにして国の実権を握り暴君となるのか、
その過程が気になる所である。
そして、そんなエスティアに強烈な好意を向け、ほとんどストーカー同然につきまとうのが、小説本編で彼女を殺すはずの公爵レジスである。
なぜこんなにもエスティアを愛するのか、そして愛している彼女をなぜ未来ではその手で殺すことになるのか? 謎多き男である。
そして、彼の好意の向け方も普通ではない。
何をするにもエスティアの一番になりたがり、邪魔をする人間は暴力で排除することも厭わない。
はっきり言って危ない奴だ。
行き過ぎのレジスの行動のおかしさと、全編に漂うサスペンス色との組み合わせの妙がヒカルダークコメディである。。
はたしてエスティアは自分の未来に待つ残酷な死を回避できるのか?
ヤンデレ男が好きな人、王宮を舞台にした陰謀が好きな人におすすめの一作だ。