焼け跡、闇市、食糧難――戦後の東京で囁かれる「人肉騒動」。
調べていくうちに見えてきたのは、人肉を喰らう「餓鬼」と、それを生み出しているらしい謎の存在。そして、飢えた人々を救済する新興宗教「天命奉道会」。
怪異事件を追う新聞記者たちの物語かと思えば、そこから一気に平安時代へと遡り、狐の少女・お紺と、言霊使いの朔夜との出会い、何度生まれ変わっても続く因縁へとつながっていく構成が面白いです。
特に、現在の「餓鬼事件」と、千年以上前に封じられた存在が少しずつ結びついていく展開が印象的。
戦後の社会不安と、日本古来の怪異。そして転生を超えて続く因縁。
それぞれ別の物語に見えていたものが、少しずつ一本の線になっていく。
第3話の終盤から一気に謎が深まり、続きが気になる怪奇譚です。