不思議で怖くて、何だか懐かしい。
そんな怪異譚を【十ノ物語】シリーズとして
既に三作出している作者の第四段。
単なる怪異譚ではない。そこはかとない
懐かしさ、見た事もない不思議な世界、
驚くべき怪異の目眩く跳梁跋扈に、読む者は
屹度、瞠目するだろう。
今回は、人生の全てに絶望した男が
ひょんな事から 十日間 の肝試しをする。
「と或る旅館の、或る部屋に十日の間
逗留出来たら百万円」
という破格の条件。但し、お化けが出る。
何もかも失った男は、自分の葬儀代くらいは
残そうと、祖母からの御守りを手にこの
不可解な仕事(?)に挑む。
勿論、この十日間には様々な化け物が
脅かすのだろう。実は、過去の作品からの
再出演もある。容赦なく得体も知れない
怪異に、主人公は打ち勝てるのか。
江戸中期に書かれた【稲生物怪録】を
オマージュしているとの事。
但し、作者の妙味はそれ自体が百鬼夜行に
値する。
楽しみにドキドキしながら読まれると
良いだろう。