【たちつてと】
タウンゼント【たうんぜんと】①クロス社の万年筆。②オープンニブ・ベスト型・カートリッジ/コンバータ両用式。②歴代アメリカ大統領の署名用ペンとしても有名だが、ジョンソン大統領はぺんてるのサインペンを使い、トランプ大統領はシャーピーを使っている。
たこ吉師匠【たこきちししょう】①万年筆という文化が衰退する間際で踏みとどまって、その灯を守った人たちの一人。②「万年筆は刃物」論の提唱者。
タッチダウン【たっちだうん】①万年筆のインク供給方式の一種、シェーファー社特有の方式。尾軸を引き、押すことで内部の空気圧を変化させ、ゴムチューブにインクを吸入する。②スノーケルから金属パイプ繰り出し機構をオミットしたもの。③アメリカンフットボールの用語から摂られた言葉。
棚吊り【たなつり】①万年筆の不調の原因の一つ。インクタンクの中で粘性の高いインクが下に降りてこずに上方に溜まる現象。振るとたいてい解決する。②プラチナ社は棚吊り防止のため、カートリッジの栓に金属球を用いている。使用中に球が揺れ、棚吊りを防ぐ。③パイロット社はCON-50を廃盤にして、内部に棚吊り防止用のスプリングのようなものを入れたCON-40を製造している。またCON-70も改良され、棚吊り防止装置が組み込まれた。
ダブルスペアインキ【だぶるすぺあいんき】①パイロット社が展開していたカートリッジの規格。胴軸内に使用中と予備の二つ入るからダブル。②いわゆるヨーロッパ標準のカートリッジと同じくらいの長さだが、当然互換性はない。
タミヤの空瓶【たみやのからびん】①模型会社タミヤの販売している、模型用塗料を入れるための瓶。ユーザーが調色した塗料を保管するために用いられる。②万年筆のインクを小分けにするために用いられている。インク瓶は持ち運びにくい形状をしているため、携帯に便利。インクを交換するする際にも用いられる。③万年筆メーカーが専用の容器を作っているが割高。タミヤの愛好者は多い。
タルガ【たるが】①シェーファー社の万年筆。円筒形の軸にインレイドニブ。②非オープンニブ・円筒型・カートリッジ/コンバータ両用式。
鍛造【たんぞう】①金属を叩いて鍛えること。②昔の金ペンは手で叩いて独特の柔らかさを出していたという都市伝説がある。現在も機械で叩いて筆記に向いた柔らかさを作り出している。金ペンはただの金合金の塊ではないのだ。
ダンヒル【だんひる】①イギリスの男性総合ファッションブランド。②車を自分で運転する男性の小物の製作・販売からスタートした。③最初の商品の一つが双眼鏡。交通取り締まりをする警官を遠くから発見するためだという。どこまでが本当だかわからないイギリスのユーモア。④自社のラインナップに万年筆を加えるため、日本のパイロット社に身を付け、ダンヒル・ナミキというブランドで売り出す。⑤その後、文房具部門はモンブランと提携していた。
ダンヒル・ナミキ【だんひる・なみき】①イギリスの男性ファッションブランド、ダンヒルが日本のパイロット社と手を組んで展開した万年筆ブランド。パイロット社は国内の漆工芸作家を招集、育成し美術品のような漆工芸万年筆を海外に広めた。
チタン【ちたん】①とても硬い金属。万年筆の胴やペン先の素材に使われることがある。②ペン先と首軸が一体化したチタン製の万年筆が存在する。
中華万【ちゅうかまん】①中国産の万年筆。主に中華人民共和国産を指す。②パーカー51ライクの万年筆や重量感のある金属製の軸が特徴的。
つけペン【つけぺん】①軸に金属製のペン先を付け、インクに浸しながら筆記するペン。②欧州において羽根ペンの次に登場したペン。万年筆の登場によって廃れた……、はずなんだが日本ではマンガを描く際に用いられ、現在でも命脈を保っている。③かつては筆記具の主流であったが、現在ではカリグラフィーやマンガのような特殊な分野で主に用いられている。④英語ではデップペンなどとよばれる。⑤万年筆はつけペンにインクタンクとペン芯を加えて作られた。⑥多くの学章に用いられるデザインは万年筆ではなくつけペンだろう。⑦万年筆のデザインは長らくつけペンの呪縛にとらわれていた。それを解き放ったのがパーカー社の51であり、非オープンニブの時代だった。しかし現在はつけペンのようなデザインのオープンニブに回帰している。
土田修一【つちだ-しゅういち】①万年筆の職人。ペン芯製造とアッセンブリを行っていたらしい。
爪型ニブ【つめがたにぶ】①非オープンニブの形状の一つ。ペン先の三方を首軸が囲い、手の爪のように見えるもの。②シェーファー社のレディシェーファー、モンブラン社の32、パイロット社のスーパーなど。
テーパー【てーぱー】①万年筆では胴軸中央が一番太く、先端と後端に向けられてテーパーがつけられることが多い。バランス型とベスト型が代表的。②テーパーキャップといって、テーパーがつけられた長いキャップの万年筆がかつて作られていた。筆記時に後端に指すとデスクペンのようになる。
テイキン【ていきん】①Teikinとも。帝国金ペン株式会社。昔は万年筆を作っていた。中学生の学習雑誌の付録だったのでファースト万年筆がテイキンだった人も多いそうだ。②テイキンが悪いという訳ではないが、ファースト万年筆が粗悪なものだったために万年筆にアレルギーを持っている老人がそれなりにいる。
ティファニー【てぃふぁにー】①ファッションブランド。文房具のラインもある。
デスクペン【ですくぺん】①日本では一般的に長い後端が次第に細くなる形状のペンを言う。万年筆もボールペンも存在し、現在ではボールペンが主流。②机に備え付けられたペンスタンドをキャップ代わりにして用いる。ホテルのフロントなどにも置かれる。③昔は出世した方に対してデスクペンセットを贈る因習があったという。
鉄ペン【てつぺん】①卑金属で作られたペン先の総称。鉄とは言うが多くはクロムとの合金であるステンレス製。②白ペンなどとも呼ぶが、表面を金で覆った金色のものがあるので、鉄ペンのすべてが銀色という訳ではない。③鉄ペンは硬いというが、鉄ペンより硬い金ペンは存在する。④柔らかさの感覚はインクフローに左右されるため、鉄ペンでも柔らかく感じることもある。
デモンストレータ【でもんすとれーた】①胴軸の透明な万年筆。透明軸とも。②一般社会ではスケルトンと呼ばれるものを万年筆クラスタではデモンストレータと呼ぶ。③もともとは回転吸入式などの内部機構を取引先に説明するために作られた見本品。④軸内部に残った落ちないインクの染みに夜も眠れなくなる呪いがかけられている。
デュオフィールド【でゅおふぃーるど】①パーカー社の万年筆。②オープンニブ・ベスト型・ボタンフィラー→カートリッジ/コンバータ両用式。
デュポン【でゅぽん】①フランスのファッションブランド。ライターが有名。②ペリカン社のOEMで万年筆も展開していた。③ジャクリーン・ケネディの要望でクラシックシリーズを生み出す。
デルタ【でるた】①イタリアの万年筆メーカー。廃業してしまった……。②ドルチェ・ヴィータのような美しい軸を作っていた。
テレスコープ式【てれすこーぷしき】①万年筆のインク供給方式の一種、回転吸入式の一種でモンブラン社が採用していた。②いわゆる回転吸入式のメカニズムはペリカン社所有していて、その特許を侵害しないように考案された複雑な機構。特許の期限切れ後、モンブラン社はペリカン社と同様の回転吸入式を採用した。③弁を保持する金属製のシャフトが二段階に収縮することが望遠鏡のようなのでこの名前で呼ばれる。④酸性の強いインクの時代、この設計思想はいかがなものと思われる。⑤こういうおかしなものにはファンが多い。
天冠【てんかん】①キャップの先端部分。メーカーのマークやカボションが付いてたりする。
天然ゴム【てんねんごむ】①ゴムノキから摂れる天然樹脂。②そのままだとソフトラバー、硫黄を混ぜて硬化させるとハードラバー。③ソフトラバーはインクサックやパッキンなどに使われる。④ハードラバーはエボナイトと呼ばれ、かつては軸の主要な素材だった。
トーピード型【とーぴーどがた】①万年筆の形状。両端が細く丸くなっている。②トーピードとは魚雷のこと。バランス型と同じ形。
胴軸【どうじく】①万年筆を構成する部分の一つ。手で握る部分。内部にインクを保持する。
胴軸の分類【どうじくのぶんるい】①形状は中央が膨らみ、両先端にかけて細くなるバランス型、バランス型のの両先端を切り取ったベスト型、円筒型、多角柱型、細身型などに分類されるが、各社これらに分類されない多彩な胴軸も製造している。②材質は樹脂、金属、木製に分けられ、さらにその下に細区分がある。
透明軸【とうめいじく】→デモンストレータ
トリム【とりむ】①胴軸、キャップなどにおける金属部品の総称。②クリップやリングなどを指す。③キャップに付けられているリングはもともとは割れ防止のものだったが、現在は単なるデザインの一部になっている。
ドルチェ・ヴィータ【どるちぇ・ヴぃーた】①デルタ社の万年筆。鮮やかなオレンジ色が特徴。②オープンニブ・ベスト型・回転吸入式、カートリッジ/コンバータ両用式。③大きさやインク供給方式など様々な種類がある。
トレンチペン【とれんちぺん】①塹壕万年筆。第一次大戦中の主戦場であった塹壕で使用するように作られた万年筆。②当時のインクは強い酸性でガラス瓶しか保管できる容器がなかった。しかし戦場ではガラス瓶は容易に割れ、あたりに酸性の液体をぶちまける……。③そこで固形インクが開発され、その固形インクを内蔵できるトレンチペンが登場した。④内蔵された固形インクを取り出して胴軸のインクタンクに入れ、液体で満たして、固形インクを溶かして使用する。
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