印象的なのは、全編に散りばめられた言葉遊びです。
「焼き上がる/書き上がる」「パンとペン」「寒好日/缶珈琲」など、単発のギャグから人物や物語や企画へと発展させていく。
その発想の連鎖を眺めているだけでも楽しめました。
この作品自体が、まるで絢香の頭の中にある巨大なアイデアノートのようです。
一見すると遠く離れた話題同士が、言葉や連想によって突然つながる。その予測不能さこそが、この物語ならではの味だと思います。
読み終えて一番強く残ったのは、「この子はこの先、何を書くんだろう」という期待でした。
パン生地が発酵して膨らむように、言葉からアイデアが膨らみ、アイデアから未来が膨らんでいく物語でした。