覆水盆に返らずという諺があるが、まさしくそうである。
私たちはいつも変化ばかりに気を取られ、変わらないものには無頓着になってしまう。
ひとたび変わらないものを失ってしまえば、その有難みに漸く気づく。
その気付きはきっと、もう手遅れであるに違いない。
しかし、どんなに後悔したとしても、私たちは気づけない。
それを踏まえると、機械によって身体が変わっていく外側の夫の中にある内なる夫。
即ち夫の脳と思考・感情という、夫を夫として可視化し得る存在に気づいた妻は、幸せなのかもしれない。
戦争によって失うものはたくさんある。
それでも、失って得るものもあるのではないか。
そこにテセウスの船とはまた違った角度のパラドックスが隠されている、そう感じた。
簡潔に纏めると、 3000字程度ながらも、考えることも多く、とても読み応えのある作品で、かなり面白かったです!!
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