第一話を読みました。面白かったのでレビューを書かせてもらいます。
冒頭から登場するのは、戦場に残された死体から金品を回収する十八歳の青年、アレン。普通なら眉をひそめてしまうような行為ですが、「再利用業者」と言い張る彼の図太さと軽妙な受け答えが面白く、独特の主人公だと感じました。口は悪く、金にも食事にも正直。それでいて、死者の持ち物を返し、顔に手を添えて瞼を閉じる姿には、単なる金目当てではない一面が見えます。
そんなアレンの前に現れたのが、兄を亡くした騎士見習いのイザベラです。怒りに任せて剣を振るう彼女と、あくまで飄々とした態度を崩さないアレンのやり取りはテンポがよく、二人の性格の違いがはっきり伝わってきます。実力ではアレンが圧倒しているものの、兄を失ったイザベラの怒りや悲しみも伝わってくるため、単なるコミカルな掛け合いで終わらないところが魅力です。
さらに気になるのが、イザベラの兄の死に隠された謎です。背中に残された刺し傷から、アレンは正面からの戦闘ではなかったと見抜きます。敵ではなく味方の少将が兄を殺したというイザベラの訴えには、まだ確かな証拠がありません。この疑惑が本当なのか、そして少将が何を企んでいたのか、先の展開が気になります。
兄の仇討ちを頼まれても、まず報酬を尋ね、何より食事を優先するアレンには思わず笑ってしまいました。それでも、彼は兄を埋葬し、イザベラの話にも耳を傾けています。
そして最後に気になるのが、アレンの背負う大きな布袋。中身が明かされないまま物語が終わるため、彼の過去や本当の目的にも興味を引かれます。軽快な会話と戦場の陰謀が組み合わさった、続きを読みたくなる第一話でした。