夏の名残りか。
蝉の聲が其処彼処に響く白昼の公園で、
ペットボトルの清涼飲料水を頼りに休んで
いると 異様なモノ が目に入る。
公園の木陰に 漆黒のトランクケース が
放置されていたのだ。誰かの忘れ物だろうか。
俄に 好奇心 が頭を擡げる。
そっと近寄ってみると益々、異様。
黒い革張の大きなトランクケースからは
何かが覗いていた……。
作者の掌編【ウルフアイ】の続編とも取れる
金色に光る眸。
西洋の魔性は陽の光に弱く、又トランクに
身体 を収めて移動するという。十字架に
聖水、更には或る種の植物を禁忌としている。
「怪しい物に近寄ってはいけないよ。」
それは身を以て世の裏側の瞑闇を教えて
くれたのだろうか…。