• マイページ
  • 小説を探す
  • ネクスト
  • 書籍化作品
KADOKAWA Group
  • ログイン
  • 新規登録(無料)
ファルマコンの檻〜アレクサンドリアの奴隷医〜

ファルマコンの檻〜アレクサンドリアの奴隷医〜

藤堂 史門

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★1
1人が評価しました
本文あり
日付が新しい順

本文ありのおすすめレビュー

  • 五月雨(小説の審査員経験者)
    106件の
    レビューを投稿
    ★ Good!

    香油の甘さの奥に、滅びゆく王朝の気配がある

    香油の匂い、リュラの音色、大理石の回廊にこもる夜の熱気。華やかなアレクサンドリアの屋敷へ入り込むような感覚で読み始めました。

    そこで暮らす若き医師フィロタスは、相手の脈や呼吸から、言葉にされない心の揺れを感じ取ります。大切な人に寄り添う近さが、その人の隠している不安まで伝えてしまうところに、静かな緊張がありました。

    彼を庇護するヒュパトスとの親密な時間にも、戦況や政治の影が差してきます。忠義と家族を守る選択の間で苦しむテレマコスの告白も印象的で、この人たちは何を守り、何を手放すことになるのだろうと気になります。

    公開中の8話まで読了。身近な温もりが失われるかもしれない怖さとともに、フィロタスの行く末を追いたくなる作品です。

    • 2026年10月7日 19:52