最年少で視察官となったソラが、銃火器を内蔵した犬型ロボットの兄と共にティーカップ型飛行船で旅する光景は、奇妙で愛らしくて忘れがたい。彼の役目は、美しいものも醜いものもそのまま受け止めて報告すること。だからこそ、訪れた土地の人々が“空飛ぶお茶会”を見て慌てたり涙したりする反応が、物語に生きた温度を与える。世界の表と裏を淡々と見つめるソラの視線が、読者にもそっと問いを投げかけてくる旅物語。