記憶を失い、「拾得物」として保管された主人公・マシロ。
彼を拾ったのは、拾得物保管室の室長だった。
奇妙な「間」を巡りながら、自分の持ち物や記憶、そして人との縁を少しずつ拾い直していくマシロ。
一方で、何でも知っていそうな室長にもまた、帰れない理由がある。
誰かを探すこと。
誰かに探してもらうこと。
縁を繋ぐこと。
そして、ときには縁を切ること。
「落としもの」という日常的なモチーフを使いながら、喪失や執着、居場所を描いていく世界観が秀逸。
怪異ものとして先が気になるのはもちろん、話が進むほど、マシロと室長――二人の「帰る場所」がどうなるのかが気になってきます。
『落としものは帰れない』というタイトルを、読み進めるほど何度も振り返りたくなる物語です。
あと、コーギー好きの人にも刺さると思います。
コーギーのリク先輩の描写に、ぜひ癒されてください。