王道のファンタジーだからこそ、二人の関係が少しずつ変わっていく過程が印象に残りました。
最初のラルクは、フィーをあくまで「仕事の対象」として扱い、自分には関係のないことだと言い続けます。
それでも、空腹のフィーに自分の食事を分け、怪我に気づけば手当てをし、翌朝には靴まで用意している。
本人は「優しくしているつもりはない」と言い張るのに、行動だけを見ると少しずつ変わっていく。その変化を大げさに説明せず、小さな出来事の積み重ねで見せているところが良かったです。
特に、フィーの「あなた様はお優しい方です」という言葉を、ラルク自身がなかなか受け入れられないところが好きでした。
物語そのものは奇をてらったものではありませんが、ラルクとフィーのやり取りには、この二人だからこそ生まれる可笑しさと温かさがあります。
まだ旅は始まったばかりですが、この二人がこれからどんな旅をして、互いの見方をどう変えていくのか楽しみになる作品でした。