週刊少年チェインにて、厳しすぎてSNSで炎上した辣腕編集 一条と、漫画家志望の370歳のエルフ、ベルナがコンビを組んで連載を目指す物語。
エルフが現代日本に存在し、何かをするという漫画は既に相当数存在している。
もうやってないことはないんじゃないか、という気でいたが、そういえば
普通のオタ活ならともかく、漫画を描くのはなかったかも……。
ちょっと新しい視点ということですね。
しかし、こうなると普通の漫画家漫画以上に難しい問題も発生する。
エルフと人間の感性が違いすぎるため、人間にとっての「面白い」は
ベルナにはよく分からないのだ。結果として彼女は漫画家志望50年目。
アシスタントとしてはベテランだが、自分の漫画を描くということに
関してはずっと停滞を続けていると言っていい。
そこに、SNSの炎上で担当する漫画家のいない一条が現れる。
編集長になるという野望を持つ一条は、ベルナのやる気とエルフの漫画家という
話題性に目を付け、二人で組んでデビューを目指すことになる。
編集と漫画家、漫画雑誌で連載しようとすれば、絶対に必要になるコンビだが
作品によって描かれ方は異なる。ビジネスパートナーだったり、
試練を与える存在だったり、あるいは反目しあう実質敵だったりもする。
この作品においては、一条はベルナの精神性に影響を与える存在だ。
長い時を生きるエルフには、人間のような時間制限はない。
裏を返せば、漫画を描くのも今であるという意味が見いだせない
ということでもあり、それが彼女が漫画家になることを妨げていた。
自分の思いを形にする、残すという欲求は、限りある命を持つ者だからこそ
強く感じるのかも知れない。ベルナは一条と組んで漫画を描くことを通じ、
短い命の人間がどのように生きるのかを学ぶことになるのだろう。
それにしても寿命の長いエルフはいいなぁ……。
人間の漫画家は、長いシリーズになると作品を書き終える前に
逝ってしまうことを 心配しないとなんないからな……。
漫画を描く漫画が好きな人、現代日本に亜人が住むローファンタジーが好きな人におすすめの一作。