喫茶店を舞台にした甘めの恋愛短編で、とても読みやすかったです。
まず二人の会話のテンポが良くて、スラスラ読めました。彼女の距離感の近さと、主人公の少し奥手な反応の組み合わせが微笑ましく、「これは絶対好きになるやつだな」とニヤニヤしながら読めます。
個人的には、コーヒーの甘さと二人の関係性を重ねているところが好きでした。特に失恋後にブラックを頼むシーンから、ラストの「今度はうんと甘いのを」までの流れは綺麗で、読後感も良かったです。
彼女のキャラクターも魅力的でした。誰とでも気さくに話せるタイプで、明るいけれど少し不器用なところもあって、主人公が惹かれるのも納得できます。
気になった点を挙げるなら、二人が仲良くなる過程がややスムーズすぎるかなとは感じました。読んでいて違和感はないのですが、「この出来事がきっかけで特別な存在になった」という場面がもう少しあると、後半の感情の盛り上がりがさらに強くなりそうです。
とはいえ、短編として綺麗にまとまっていて、最後まで気持ちよく読めました。優しい雰囲気の恋愛ものが好きな人なら楽しめる作品だと思います。ラストの一杯は素直に良い締めだったと思いました。