勇者と魔王の決戦から始まる話ですが、勇者ものではありません。
主人公は魔王軍の文官。しかも幹部の中で下から二十一番目という、絶妙に扱いの悪い男です。斬られながら修繕費を請求してやろうと考える、この温度差のある語り口が一話丸ごと続きます。
とにかく読める。地の文が止まらず、台詞は一行で誰が喋っているか分かる。勇者の下品な伸ばし方と、主人公の慇懃無礼な返しの応酬だけで頁が進んでいく。この手の軽口を滑らせずに書ける人は、正直あまりいません。
一話の終わりで話の見え方が反転します。その先は、勇者が異世界で散らかしたものを片付ける側の物語になる。片付ける人間の目的が、痛快なのかはたまた悪趣味なのか……。
全話見れていませんがこれから楽しみです。
長めの一話ですが、読み切って損はしないと思います。