触れたいのに、触れたら壊してしまいそうで怖い。その距離感がずっと苦しかったです。彼女を「非凡」、自分を「凡庸」と決めつけるほど、好きなのに近づけない気持ちが伝わってきました。だからこそ、昔の海辺で「他の人には見せてほしくない」と零した言葉と、翌日きっちり襟を閉めてきた彼女がたまらないです。そして数年後、黄色いカサブランカを向かいの空席へ置く姿を見ると、あの夏の日の二人を思い出して余計につらいです。