ぽぽこぺぺさんらしい作品!
恐らく読む方を選びますが、刺さる人にはとことん刺さる物語です。
舞台は、宇宙人が人間の姿に擬態し、地球社会に紛れて暮らしている世界。それぞれ異なる事情と能力を持つ登場人物たちの物語が、リレーのようにつながっていきます。
奇抜な設定と軽妙な会話に笑わされながらも、その奥から浮かび上がってくるのは、孤独や執着、そして誰かを大切に思う気持ちです。
人間らしく振る舞うことと、本当に人間らしい感情を持つことは同じなのか。
真似から始まった感情は、果たして偽物と呼べるのか。
ハンバーガーや結婚式、会社の朝礼といった身近な日常の描写に、毒のある社会風刺と不穏な伏線が丁寧に織り込まれています。読み進めるほど物語の印象が変わり、何気なく描かれていた場面にも別の意味が見えてくる構成が印象的でした。
人間とは何か。愛は、本物と偽物に分けられるのか。
SFコメディや少し毒のある物語が好きな方、奇抜な設定の奥にある情愛や余韻を味わいたい方に、ぜひおすすめしたい作品です。