戦闘力平均以下、唯一のスキルは《記録》。地味職から始まる型は見慣れているはずなのに、この作品は「記録が積み上がっていること自体が武器になる」という一点で、しっかり新しい。壁が規則的に動いていることに気づく1話の推理が気持ちよく、そこから三年分の映像を遡って「モンスターが同じ壁をコン、コン、コンと叩き始めた日」に到達する流れが白眉。無双ではなく捜査の面白さで読ませてくる。極めつけは壁に浮かぶ《記録者、来訪を確認》の一文。最強職の理由が、本人の外側から提示される構図に痺れました。