何度やり直しても、待っているのは断罪と死……。
そんなあまりにも理不尽な運命に翻弄されながら、それでも「今度こそ自分の人生を生きる」と抗い続ける公爵令嬢ジェンマの物語です。
本作の大きな魅力は、悪役令嬢もののお約束を踏まえつつ、その運命そのものに主人公が真っ向から喧嘩を売るところだと思うんです。
ジェンマは決して最初から何でもできる完璧な主人公ではありません。
怖いものは怖いし、過去の記憶に苦しむこともある。
それでも語学を学び、新しい知識を得て、自分にできることをひとつずつ増やしながら未来を切り拓こうとします。
だからこそ、「生きたい」「私らしく生きたい」という彼女の願いが、とても真っ直ぐに胸へ届きました。
そして、そんなジェンマの前に現れるグラナート王国の少年ベルトラート。
二人の軽妙で微笑ましいやり取りと、少しずつ築かれていく信頼関係も本作の大きな見どころです。
シリアスな設定ながら重くなりすぎず、コミカルな掛け合いや家族との温かな場面もあり、全5話をテンポよく一気に楽しめます。
決められた筋書きなんて知ったことか。
神様が決めた運命にだって、私は従わない。
理不尽な物語の役割に抗い、自分自身の人生を取り戻そうとする少女の奮闘を、ぜひ最後まで見届けてほしい作品です!