故郷を失い、ゴブリンに保護されたレイル。何も分からない彼に、水や食事、危険といった「生きるための言葉」を根気よく教えてくれるゴブリンの姿は、妙に心に残りました。普段から、ゴブリンが敵として登場する物語に触れているせいかもしれません。
慰めの言葉を並べるわけでも、恩を着せるわけでもない。ただ、必要なことを黙々とする。その背中を見ているうちに、レイルの中で相手への見方が少しずつ変わっていく。
人間とゴブリン。守る側と守られる側。読み進めるほど、自分が当たり前だと思っていた境目まで、すっと曖昧になっていく。視野を広げさせてくれますね。