この学園では、問題児が脇役になってくれない。
神を信じていないのに「神の代弁者」を名乗る相談屋。
正体を隠し、圧倒的なカリスマで民を熱狂させるキング。
校内に独自の情報網を張り巡らせる写真部部長。
熊さえ倒せる、素直すぎる人間兵器。
そして彼らを捕まえようとする風紀委員まで、どこか盛大にズレている。
一人でも物語をひっくり返せそうな人物たちが、次々と出会い、疑い、追いかけ、ときには妙なところで意気投合する。
誰かが計画を立てれば、別の誰かが予想外の方向から飛び込んでくる。そこへ新たな問題児が加わり、味方と敵の境界までおかしなことになっていく。その連鎖がとにかく軽快で、会話を追いかけているだけでも笑いが止まりません。
しかも、この作品の魅力は、登場人物の強烈さだけではありません。
視点が変わるたびに、地の文の調子や会話の呼吸まで鮮やかに変わり、同じ人物の見え方さえ一変します。
ある人物から見れば厄介な問題児が、別の人物には憧れの存在として映る。一見すると奇抜な言動の奥にも、その人なりの信念や価値観、誰にも見せない寂しさがある。
だからこそ、誰か一人だけが物語を動かしているのではなく、登場人物全員が自分の人生の主人公として、この学園を走り回っているように感じられるのです。
作者様曰く、「何度も破壊されるストーリーライン」。
けれど、それは登場人物たちが、用意された筋書きに収まらないほど生き生きと動いている証拠なのだと思います。
次は誰が誰を巻き込み、物語をどこへ吹き飛ばすのか。
規則には収まらない、愉快で厄介で最高に愛おしい問題児たち――その美しき生き様を、ぜひ目撃してください!