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  • 第1話 悲しい鳥への応援コメント

     長いコメントになってしまい、申し訳ありません。
     「かなりや」のその後、待っていました。

     まず冒頭の「……笑っている。」にやられました。
     朱が愛の笑顔を、まるで珍しい鳥を見つけたみたいに確かめている。それが途中の「……また、笑っている。」、最後の「笑っている。」と三回出てきて、この一話そのものが、朱が愛の笑顔を見つける話になっているんだなと感じました。

     三ヶ月前に茶の淹れ方を教えた相手が、今日は自分に茶を淹れてくれる。
     手持ち無沙汰でピアノの前に座る朱が、なんだかいいですね。教える側から受け取る側にまわって、少し居場所に困っている感じがします。

     鳥の巣のそばに用意した梯子も好きでした。屋根に登らせないのではなく、登るなら安全に、という置き方が朱らしい。黙って先回りする優しさです。

     私は音楽はまったくわからないので、ラヴェルの曲も正直知りません。
     それでも「悲しい鳥」の重たい灰色の森と、「ソナチネ」の水面に揺れる光と影は、文章だけでちゃんと違う景色として見えました。曲を知らない人間にも届くのはすごいことだと思います。

     愛に「朱さんみたいな曲」と言われて、口元が緩むところ。
     綺麗で、孤独で、少し怖い。そう正直に言われて嬉しいのは、ちゃんと見てもらえたからなんでしょうね。

     そして、お茶の時間に合う曲を選び直す。
     前のエッセイで朱はユーフォニアムかチューバ、普段は低いところにいて時折旋律を歌う、と書かれていましたが、まさにそれでした。自分の旋律をいったん引っ込めて、愛との時間に寄り添う方を選んでいる。

     最後の和音と砂時計の砂が同時に落ちきるところは、映画のワンカットみたいで、思わず読み返しました。

     あとで曲を聴いてから、もう一度読みに来ます。

    作者からの返信

    毎回、深いところまで丁寧に読み込んでくださるハマタさんのコメントに、これはいい加減な返信はできないぞと、背筋が伸びる思いで読ませていただいています☺️。

    本当にいつも、こちらが気づいてほしいところまでしっかり拾ってくださるのが嬉しいです。ありがとうございます。

    特にすごいなと思ったのが、朱が演奏する曲を変えたシーン。そこまで意識せずに書いていたのですが、「自分の音を引っ込めて、愛に寄り添う曲を選ぶ」というところ、確かに前にエッセイで書いた「低音楽器的な朱」に繋がってたと、ハマタさんのコメントで気がつきました。
    本当にすごい、そして嬉しいです。

    今回、音楽を知らない人にも読んでもらえるだろうかと気にしながら書いてましたが、まさにハマタさんが「知らないけれど読めた」と言ってくださり、しかも曲も聴いてみると言ってくださった。
    こうして小説から曲にも興味を持っていただけたら嬉しいな、と思っていました(笑)。

    そして、最後の砂時計のシーンですが、実はメヌエットの演奏時間がちょうど3分くらいなんです。
    ですので、砂時計の砂が落ちきるのと同じくらいのタイミングで曲も終わります。
    そのことを近況ノートに書きたかったのに、すっかり忘れていました。
    ハマタさんに種明かしができてよかったです☺️

    いつも本当にありがとうございます。