剣と魔法の世界で、自らの見聞きしたことを記録しながら旅をする少女の物語。
おそらくタイトルで相当損をしている作品なのではないか。
記録者と言うとロボットみたいなやつか、使命感で眉間にシワを寄せた厳格なおっさんを連想しがちだ。
本作の「記録者」ちゃんは、皆から「お嬢ちゃん」と呼ばれるような華奢な少女だ。
力もなければ特別な知識があるわけではない普通の女の子が、ただ今の世の中で人々の生きた証を残したいという思いだけで世界を旅をし記録し続ける。斜に構え傍観者を気取るのではなく、自分のできることは精一杯やる、等身大で健気なキャラで好感が持てる。
そんな彼女は、魔族にビビり散らかしたり、友達の死に泣き崩れる男に無言で寄り添ってくれたり、発明家のじいさんと共同作業して ハイタッチしたり、魔法学院の女の子とちょっと百合っぽい触れ合いをしたり、故郷に帰った男に自分の境遇を重ねて涙したり、5話の間にも様々な魅力を見せてくれる。
彼女の名前が作中で明かされることはない。ただの名もなき民の1人。
だが、彼女は間違いなくそこに生きていた。
その視点を通してしか見えないものがあっただろうと、
読み終わった時確かに 心に残るものを感じた。いい作品だ。
一般人の視点からファンタジー世界を体験する作品の好きな人、少女の一人旅が好きな人におすすめの一作だ。