第七章 名乗らない声への応援コメント
義娘に暴力を振るったクズ男ではありますが、殺人まではしていなかったのに、警察に疑われたせいで彼の人生はめちゃくちゃになってしまって、遂には……元捜査員はずっと罪の意識を持って生きて来たんでしょうね。辛かったでしょうね。
作者からの返信
お読みいただき、ありがとうございます。
「殺人まではしていなかったのに」——その一言に、この章の重さをすべて受け取っていただけたと感じました。
罰せられるべき人間であることと、犯していない罪で人生を壊されることは、まったく別の話です。その二つを混ぜてしまった時に何が起きるのか。元捜査員が抱え続けたものは、正義感の裏返しとしての後悔でした。
誰が悪かったのかを一つに絞れないところが、この物語のいちばん苦しい部分かもしれません。最後までお付き合いいただけましたら幸いです。
そして、誤字のご報告もありがとうございました。「塗装屋は仕事は」の重なり、ご指摘のとおり「塗装屋の仕事は」に修正いたしました。細部まで目を通していただいていることが伝わってきて、身の引き締まる思いです。重ねてお礼申し上げます。
第六章 鉄の階段への応援コメント
三十四年前にあった階段から悠の従姉が落ちたという設定ではないんですかね。
「加害者」の子供と「被害者」の子供が奇しくも両方とも父親をよく知らないんですよね。お互い、父親のことを知るために協力して調べて行きつく先はどうなるのか、とても興味深いです。
作者からの返信
お読みいただき、ありがとうございます。
あの階段については、ここでお答えしてしまうと先の楽しみを削いでしまうので、今は「そこに気づかれましたか」とだけ申し上げておきます。
そして、「加害者」の子と「被害者」の子が、揃って父親を知らないまま大人になっている——そこを掬い上げてくださったのが何より嬉しいです。二人が同じ過去を別々の角度から掘り進めて、どこで交わるのか。物語の背骨はまさにそこにあります。
引き続き見届けていただけましたら幸いです。
第五章 三万円への応援コメント
訊いちゃったら、この平穏な生活がなくなりそうで怖い気持ちがよく伝わってきます。自分にそんな事情があるわけではないのですが。
毎月3万円を口封じ代と考えると、いくら30年ずっとと言ってもちょっと安い気がします。他に何か理由があるような気がします。
作者からの返信
お読みいただき、ありがとうございます。
「訊いてしまったら、この平穏が終わる」——そこを汲み取っていただけて嬉しいです。知らないままでいることが、実は一番の生活防衛になっている。そういう家がある、という話でもあります。
三万円という額については、鋭いところを突かれました。口封じにしては安すぎる、という違和感は、そのまま持っていていただければと思います。あの金額が何の対価だったのかは、この先の章で必ず答えを出します。
第四章 加害者家族への応援コメント
「加害者」の家族(と決まったわけではないですが)の苦悩が伝わってきました。
今はSNSで噂が広まるのが早いから、なおさら大変でしょうね。家族は家族でも、別人格なのに……
おじいさんが、嘘の自白をしたとしたら、息子家族への悪影響は考えていなかったのかなと考えてしまいます。
作者からの返信
お読みいただき、ありがとうございます。
「家族は家族でも、別人格なのに」——まさにその一点が、この章で書きたかったことでした。血の繋がりというだけで同じ罪を背負わされてしまう理不尽さを、静かに積み上げたつもりです。
SNSの件もおっしゃる通りで、三十四年前と今とでは、噂の広がる速さも刺さり方もまるで違います。その時間差もこの物語の芯のひとつです。
おじいさんの自白が何を守ろうとして、何を壊してしまったのか。そこはこの先で少しずつ明らかにしていきます。どうぞお付き合いください。
第三章 三十四年前の名前への応援コメント
犯人は、息を引き取るまで隣でじっと待っていたってことですよね。下手なホラーより怖いです。
作者からの返信
お読みいただき、ありがとうございます。
まさにその通りです。「隣でじっと待っていた」——その一点を、この章のいちばん怖い場所として置きました。そこを掬い上げていただけて嬉しいです。
星もありがとうございました。この先もお付き合いいただけましたら幸いです。
第十一章 上申書への応援コメント
交通事故なら、通報して救急車を呼べばよかったのにと思いますが、そういう理由だったのなら、その後のことを考えたら、教師の遠山が通報できなくなってしまったのも無理はないですね(いや、それでも通報&自主すべきでしたが)。だから遠山の妻が保身に入ってしまったのは理解できますが、牧野が隠蔽工作してまで庇った心境がちょっと理解できませんでした。どちらにしても三十年以上、苦しかっただろうなと思います。
作者からの返信
お読みいただき、ありがとうございます。
「それでも通報&自首すべきだった」——本当にその通りで、そこを読者に思わせたまま進めたかった章でした。理解はできても、許してはいけない。その線引きをどこに引くかを、遠山夫婦と牧野の三者で少しずつずらして書いています。
牧野の心境が掴みきれない、というご指摘はまさに核心です。あの男が何を庇っていたのかは、この先で必ず明かします。三十年以上という時間の重さを感じ取っていただけたこと、書き手として何よりの励みです。
なお、本日二十一時より、加害者家族をテーマにした新連載「燠火(おきび)ー加害者家族とはー」の掲載を開始いたします。まさに田鶴さんが第四章に寄せてくださった問いを、正面から扱う話です。よろしければそちらもお読みいただき、ご感想を頂戴できましたら幸いです。