愛する妻への遺書という衝撃から始まる本書は、小説家である男の生々しい人生観と、不器用ながらも確かな愛情が胸を打つ傑作。
作中の男は、自分の人生を「生きた、書いた」と振り返る。
しかし、型破りな『彼女』との出会いによって、最後のピースである「恋した」が満たされていく過程が、淡々とかつユーモラスな文章で描かれていく。
打算から始まった関係が、いつしかかけがえのない絆へと昇華していく描写には、スクロールをしながらにっこりしてしまった。
他人の人生を描き続けた
この作家の生き様を表す文には舌を巻いた。そうだ、確かに文字で他人の人生を構築している……と。
人生の最後に最も愛する女性へ向けて書いた「人生最後の感謝の文章」。
読後、切なさと温かな余韻がいつまでも心に残る、至高の一話だった。
「これは遺書だ。」という冒頭から、物語は一気に静かな深みへと引き込まれます📘🌙
初対面で作品の矛盾を指摘した妻と、その批評を受け止めた作家の関係は、唯一無二の “作者と読者” の夫婦像として描かれます💬💞
生前は執筆に没頭し、妻との時間を十分に取れなかった “僕”。
それでも妻は責めず、新作を楽しみに待ち続けた姿が胸を打ちます🌿💗
死後、魂となってノートPCに宿り、一文字ごとに存在が薄れながら綴る恋文は、静かで、切なくて、温かい余韻を残します💻✨
スタンダールの「生きた、書いた、恋した」という言葉を自らの人生に重ね、最後に伝える “愛している” が、物語全体を美しく締めくくります💐💫
短編ながら、人生・創作・愛が凝縮された名品でした📚💖