お菓子を題材にしながら、子どもの頃の記憶、家族との距離、祭りの楽しさ、値上がりへのぼやきまで、日常のさまざまな感情を軽やかに詠んだ短歌集です。読んでいると、思わず笑ってしまう歌の隣に、ふっと心をつかまれる歌が置かれているのが印象的でした。
特に好きなのは、「冷凍庫ハーゲンダッツが増えている/いつからなのか『ごめん』のサイン」です。言葉で謝る代わりに、冷凍庫へ少しずつ増えていくアイス。それだけで、家族や恋人同士の微妙な空気まで想像できてしまいます。
たこ焼きもマクドナルドもお菓子だと言い切ったり、かき氷の値段に文句を言いながら結局買ったりと、肩の力を抜いて楽しめるのも魅力です。身近なお菓子の中に、笑いと懐かしさと小さな人生を見つけた、親しみやすい短歌集でした。
追伸
つい先程、不倫の切なさを題材にした作品のレビューを書いたばかりで、・みすみ・さんの明るさに救われました。苦しい気分をふっとばしてくれる良い作品です。