劇場版スペーシアXの事件簿 ―白い鈴の予告状―

一ノ瀬氷稀

届いた予告状

夏の日光。

前の事件から数週間が経ち、朝倉湊は再びスペーシアXに乗っていた。

「久しぶりだな、スペーシアX」

窓の外を眺めながら、湊は笑う。

隣には妹のひかり。

そして向かいの席には、美月と零司が座っている。

「今回は事件なんて起きないといいですね!」

美月がコーヒーを飲む。

「そうだな!」

湊が答えた、その瞬間――

カタン。

テーブルの上に、見覚えのない白い封筒が置かれた。

「……これ、誰が?」

全員が顔を見合わせる。

封筒には宛名が一つ。

『朝倉 湊様』

そして封蝋には――

白い鈴の紋章。

「白い鈴……」

ひかりが小さく呟いた。

湊が封筒を開く。

中には一枚のカード。

そこには、流麗な文字でこう書かれていた。

予告します。

本日、スペーシアXから一つの宝が消えます。

犯行時刻――午後4時。

犯行場所――1号車。

犯人は、乗客の中にいる。

そして最後に――

白い鈴を見つけた者だけが、真実へ辿り着く。

湊の表情が変わった。

「予告状……」

美月が時計を見る。

午後3時20分。

「あと40分しかありません!」

零司がカードを裏返す。

そこには、さらに一行。

『前の事件を解決した探偵へ。今回は、あなた自身が容疑者です。』

「俺が容疑者!?」

湊が驚く。

その瞬間――

カラン……

どこからか白い鈴の音が聞こえた。

全員が振り返る。

誰もいない。

しかし、1号車のカフェカウンターに置かれたショーケースの中に、

いつの間にか――

白い鈴が一つ。

そして、その隣には新たなメッセージ。

『第二の事件、開始!!』

湊は立ち上がった。

「今度の犯人は……最初から俺たちを狙ってる!」

スペーシアXは、日光へ向けて走り続ける。

残された時間は――

40分。

そしてまだ誰も知らない。

この列車には、

偽物の白い鈴が三つ存在していることを。

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