このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(458文字)
涙も出ない兄が、幻想の妹と対話しながら少しずつ喪失を受け入れていく。夢の別れと、残された日常への一歩が、静かで痛いほど優しい。個人的妄想の域を出ないが、田川さんはきっと綺麗で聡明で優しくて主人公にはもったいない、爆発しろ!
大切な存在を失った瞬間、世界の輪郭がゆっくりと崩れていく――そんな心の揺らぎを静かに描いた一篇です。妹を喪った主人公の独白は、悲しみを押し殺すのではなく、真正面から向き合おうとする切実さに満ちています。「幻想を作る」という選択は逃避ではなく、壊れそうな心を支えるための最後の拠り所。その弱さと強さが同時に滲む描写が印象的で、読者は彼の孤独にそっと寄り添いたくなるはず。喪失の痛みを抱えた人間が、どうやって“正気”を保とうとするのか――その答えを静かに示してくれる物語です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(203文字)
交通事故で死んだ妹が忘れられない兄。その気持ちはそのままに、現実にも目を向け、前に進んでいく。心が温かく、かつ明るい気持ちになる素敵な作品です。
ホラーだけど優しい物語でした。震えるほど怖い、という内容ではないので、苦手な方でも恐らく大丈夫です^^(´👁️ω👁️`)っ「悲しむ時間は必要ですが、何事も前を向かないとね」
妹を亡くしたのに涙が出ない。だからこそ「まだいる」と思い込もうとする兄の危うさが、読んでいて苦しかったです。でも、夢の中の夏美が「そういう冷静な兄さんが頼もしかった」と言ってくれるところで、少し救われました。最後、二人で食べるはずだったバームクーヘンを誰かへ渡そうとするのも好きです。忘れるのではなく、妹のいない現実で少しずつ前へ進んでいく終わり方が温かかったです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(235文字)