2008年。
この時代を青春のただ中で過ごした世代にどっぷりくる物語。
時代背景やらアイテムやらはさておいて、
それでも「恋に落ちる」という現象は
鮮烈な触れ合いから始まり
特別に見えてしまう現象から起こる。
生物学的な本能ではなく、
同性に惹かれるということであれば尚更。
性別を抜きにした「権志だから」と繰り返す泰樹さん。
これぞBL!
魂が求める恋情だからこそ惹かれるんだよなあと、原点に帰る思いで拝読しました。
登場キャラクターは多いのに、
見失わない個性とかき分けは作者様の手腕が光るもので。
良き友人たちも理解ある家族たちも
見守る視点が優しく愛しく、
読んでいてとても心地よかったです。
始める前の臆病から
終わらせないという誓いに至るまで。
魂が呼び合うような恋をした2人が
この先もずっと結びついていてほしいと心から思う物語でした。
本作は、BLとなっておりますので、読む方によっては、好みが分かれるかもしれません。
ですが私は、『性』を飛び越えた人間ドラマだと思っております。
舞台は、リーマンショックが起きた2008年。
とある医大生・権志と、バーテンダー・泰樹による『キス』から始まる恋の駆け引きが魅力的な物語です。
(主人公の名前を先に書いてはいますが、おそらく彼は左右で言うと、右でしょう。分からない方はどうかそのままの、ピュアなあなたでいてください)
オシャレなバーで起こった乱闘騒ぎ。
これをきっかけに、二人の距離は縮んでいきます。
この際、泰樹は権志を預かり、キスをします。ただ、この部分の重要ポイントは、『権志だから』という点。
そう、誰でもいいわけではないのです!!
家族、友人、同僚……。
それぞれの『目』があるので、公には相談しづらい恋愛模様と、それでも少しずつ近づいていく二人の距離感が焦ったくて楽しい本作。
同棲……じゃなかった!
同居イベントや学祭など、見どころ満載でございます。
ご興味ある方は、ぜひ覗いてみてくださいませ!
するっと読めて心をえぐってくるスペシャルなBLのお話です。バーテンダーの泰樹がさらりと執着しているのが堪りませんでした。そして涙脆いけど男らしい権志は、本当に仔猫のように可愛らしく、ちいさな爪で引っ掻いてくれたりもします。愛しいです。絡め取った恋。どっちが、どういう風に?! 私はお互いが繭の糸を吐き合って絡み合った二人のように思います。
普段BL話を書かない古都さん、ここぞとばかりにBLの美味しいものを全部乗せしてきました。全力全開のBL話を是非ご堪能ください。私は病気がちですが、読んでいつも元気をもらってました。本当に読んだ後、パワーが溢れてくるんですよ(宗教勧誘よしなさい)。クールでさり気なく執着なバーテンダーと、男らしくも仔猫ちゃんな大学生の組み合わせ、全世界のBL好きの人に読んでもらいたいです…!!