「5秒間見てはいけない」という奇妙な禁忌から始まる物語。
港の廃屋にまつわる都市伝説が少女たちの日常へじわじわ侵食していく過程を丁寧に描いている。
軽い気持ちで足を踏み入れたはずの廃屋が、閉ざされた空間と疑心暗鬼を生み、彼女たちの関係性までも揺らしていく展開が不気味で魅力的。
廃屋の“何か”が直接姿を見せるわけではないのに、視線や沈黙、わずかな違和感が積み重なって恐怖を形づくる構成が巧みで、読者は少女たちと同じように「見てはいけないもの」を想像してしまう。
都市伝説の曖昧さと、閉じ込められた心理の緊張感がゾクリと絡む一篇。