第14話 それからというもの
俺と柚月が一緒に電車に乗って学校の最寄り駅に着いて翔太と合流すると、
「えっ!恭介?」
「ああ、仕方なく、登校は一緒にする事にした」
「そ、そうか。それは良かった」
俺には良く分からないが、この二人がこうして居てくれると安心するのも事実だ。
学校に着いて昇降口で履き替えて柚月と先に教室の人達が驚いた顔して
「「「「えっ!」」」」
-昨日のあれ、何だったの?
-さぁ?
俺は自席に行き柚月も自分の席に座ると周りの女子から色々聞かれていたけどニコニコしながら話をしていた。
お昼になると俺は購買に行って翔太と一緒に食べようとすると後ろに柚月が立っていた。
「恭介、私も一緒」
「えっ、だって…」
「だっても何も無い。一緒なの!」
周りの生徒が俺達を見ている。仕方無く翔太に
「学食行くか?」
「それがいい」
そして三人で学食に行って三人で食べ始めた。
§奥村康太
あれ、今日は岸上と一緒かよ。昨日のあれはなんだったんだ。今度会った時に聞いてみるか。
§石井柚月
恭介と一緒に登校する約束が出来た。お昼も一緒にする。だから下校もと思っていると
「柚月、下校は一緒で無い方が良いんじゃないか?」
「何で?」
「だって、奥村に悪いだろう?」
「言ったでしょ。何勘違いしているのか知らないけど、奥村君とは遊び仲間なだけ。恭介が一番なの」
「そうは言われてもなぁ」
奥村がこっちを見て面白くなさそうな顔をしている。
「柚月、でもなぁ。奥村だってお前の事好きだから遊びに誘ってくれるんだろう。嫌いなら体育祭の時の事やストーカーまがいで女子トイレの前には立たないし、少しはあいつの気持ちを汲んでもいいんじゃないか?」
「やだ」
§小暮翔太
おいおい、これは一体どうなるんだ。どうもこの様子だと石井さんは本当に奥村の事を遊び仲間としか見ていない。
でも奥村はそう思っていないのは今の顔を見ても良く分かる。どうするんだ。この二人?
そして一学期末考査ウィークに入った。朝の登校時俺は柚月に
「なあ、奥村ってさぁ、中間の時十位だっただろう。だから勉強あいつに教えて貰えれば?」
「またそんな事言っている。私は恭介と一緒がいい」
「そう言われてもなぁ」
奥村が爆発しないと良いんだけど。あいつから見れば好きな子が隔週でも日曜日会ってくれている。当然、学校でだって一緒に居たいと思うだろう。
でも柚月は俺の傍に居たいと思っている。あいつから見ればせっかく付き合い始めたのに、なんで俺なんかと一緒に居るんだよと思うだろう。
それが心の中に溜まって行ったら会った時、強引に出て柚月に危険が及ぶ可能性だってある。ここは柚月に何とか納得してもらうしかない。
お昼休みになり、柚月と翔太と一緒にお昼を食べながら
「柚月、いくら遊び仲間だけだとしても奥村はお前の事が好きなんだから、少しはあいつの気持ち汲んであげた方が良いと思うけど。それに中間十位の奥村と三十位の俺達では差が有り過ぎるだろう」
「じゃあ、奥村君と一緒に図書室で勉強した後、家に帰ったら一緒に勉強してくれる。考査中もだよ」
「はぁ、分かったよ」
§小暮翔太
何となく奥村が可哀そうになって来た。これじゃあ完全な片思いじゃないか。
柚月は食事が終わると奥村の所に図書室で考査ウィーク期間中、勉強を教えてくれと言いに行った。
奥村は滅茶苦茶喜んで、首が壊れるんじゃないかって位頷いていた。
そしてこの日から一学期末考査の直前まで俺と翔太、柚月と奥村がそれぞれ図書室で勉強を始めた。
でもちょっとだけ変な事?が有った。翔太と一緒に四人掛けのテーブルで並んで座りながら勉強をやり始めると
「ここの席、いいかしら?」
顔を上げるとどこかで見た様な女子が立っていた。翔太が直ぐに反応した。
「早瀬さん?!」
あっ、そうだった。早瀬琴葉さんだ。俺は翔太に
「俺は構わないけど、翔太どうする?」
「勿論OKだよ」
「それでは座らせて頂きますね」
そう言って始めたのは良いんだけど、俺や翔太が、手を止めてお互いに聞いても分からない所があると早瀬さんが
「何処ですか。見ましょうか?」
翔太が
「はい」
とか言うとわざわざ俺達の間に来て教え始めた。
とても甘いいい香りがする。柚月以外の女の子とこんなに近くになった事なんか無いから驚いたけど、翔太は顔を真っ赤にしながら嬉しそうな顔で教えて貰っている。
それが終わるとまた反対側に戻って自分の勉強をしている。午後三時になると図書室は閉まるので教科書やノートを片付けて図書室を出ようとすると早瀬さんが
「また明日」
とか言って出て行った。俺は翔太に顔を向けて首を傾けると翔太も同じ事をした。偶々の偶然だろう。
俺達も出ようとすると柚月が近付いて来て
「恭介、帰ろう」
「えっ、奥村は?」
「勉強だけだから」
「柚月、勉強教えてくれたんだから駅位まで一緒に帰ってあげたら。あいつ面白くない顔しているぞ」
「えーっ、恭介が言うなら。でも駅で待っていてね」
「おう」
柚月が奥村の所に行って一緒に帰ろうと言うと滅茶苦茶嬉しそうな顔をして俺の顔を見て頷いた。
駅まで向かいながら翔太が
「なあ、今の石井さんと奥村の関係って…」
「ああ、俺も気にしているんだ。奥村は柚月が好きで会っているというのに柚月は単純に遊び相手だと思っている。いつか奥村がストレスを爆発させないか心配なんだ」
「だよなぁ。なんか奥村が可哀そうな気がするよ」
そして駅で翔太と別れて柚月を待っていると奥村と柚月が駅まで来た。奥村は俺達とは反対方向のホームに行くと柚月は俺の傍に来て
「恭介帰ろう。家で一緒に勉強だよ」
「ああ」
そんな事が金曜日まで続いた。来週の火曜日から一学期末考査が始まる。だからという訳では無いが土日は俺の家で柚月と一緒に考査対策をした。これで良いのかなぁ?
―――――
書き始めは皆様の☆☆☆が投稿意欲のエネルギーになります。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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