俺の幼馴染は彼氏がいるのに俺の彼女に嫉妬する
@kana_01
第1話 プロローグ
新作が始まりました。最初は主人公の家庭環境の変化からです。
最後まで読んで頂けると嬉しいです。
――――
俺、
まだ小さかった俺は何が何だか分からず、もうお母さんが起きないと知ると病院で泣くだけ泣いた。そう悔しくて堪らなった。
お母さんはとっても優しくて俺の我儘を聞いてくれた。いつも俺の傍にいてくれた。だからお母さんが、なんでもう目を開けないのか父さんの体を揺すって思い切り泣いた。
「なんでお母さんはもう目を開けないの」と何度も言って。
でもお父さんは、俺を抱きながら
「母さんは病気で死んだ。恭介、これからはお父さんと二人だ」
「やだよ。お母さんも一緒でないとやだよ」
そう言ってお父さんと周りの人を随分困らせたらしい。
お父さんは仕事柄、帰宅が遅い事が多い。だからいつの間にか自分で夕飯を作る事が出来るようになった。
最初は本屋に売っている料理本を見ながらの見よう見まねだったけど、段々上手くなって来た。
部屋の掃除は大分適当だけど、俺が掃除機で出来るだけの範囲でしている。お風呂も俺が洗っている。洗濯は週に一回。これはお父さんと一緒にやっている。
でも俺はこれが大変なんて一度も思った事は無い。お母さんが生きていた時、みんなやってくれたんだ。
その代わりお父さんは外で仕事をして俺とお母さんの生活を支えてくれていた。だからお母さんが亡くなった今、俺がやるのが当り前と思っていたる。
そんな俺を見てお父さんが
「悪いな恭介。もっと早く帰って来れればいいんだけど」
「構わないよ。それより今日作った野菜炒めどう?」
「うん、美味しいぞ」
「良かった」
お母さんが亡くなってから五年してお父さんが
「恭介、お父さん再婚しようと思うんだ。今度、相手の人に会って貰えないか?」
「再婚?」
俺は、もうお父さんが新しい女性と一緒になるなんて思っていなかった。それだけに衝撃な言葉だった。俺は下を向きながら何も言わずジッとしていると
「恭介、お前に家事までして貰って申し訳ないと思っている。お父さんが再婚すれば恭介の家事は楽になる。でもお父さんはその為に再婚するんじゃない。お父さんが好きになった人が居るんだ」
「…お父さん。お母さんの事はもういいの。忘れたの?」
「そんな事は無い。お母さんを一時も忘れた事は無い」
「だったら何で…?」
何も言わない時間が過ぎて行った。俺はまだ中学二年。女の子に対して何も感情を抱いた事は無かった。
でもお父さんは大人。俺は家と学校の間だけだけどお父さんは仕事をしている。多くの人に会うんだろう。その中でお母さんより好きな人が出来たのかもしれない。
「お父さん、お母さんよりその人が好きなの?」
「恭介、分かってくれ。もうお母さんが死んで五年になる。お母さんとどちらが好きとかいう思いではない」
「でも、今はお母さんよりその人が好きなんでしょう。いいよ。お父さんの人生なんだから好きにしたら」
「恭介…」
今から思えば随分意地悪な言い方だったのかも知れない。でもあの時は本当にそう思っていた。一時お父さんを心の底で裏切り者というレッテルを貼った事も有った。
俺のお父さんへの接し方に変化が出ていたんだろう。俺を気にしていたのか、結局、相手の人と会ったのは俺が中学三年に上がった時だった。
この頃には俺もお父さんがお母さんとは違う女性を好きになるという事が少しずつだけど理解出来るようになった。
渋谷の立派なホテルの個室で相手の女性を紹介された。
「恭介、こちらが
「初めまして。森本志保です」
「初めまして、恭介です」
でも驚いたのは、志保さんの隣にもう一人座って居た事だ。志保さんが
「恭介君、娘の
その子は俺をジッと見ると嫌々そうに
「優愛です」
それだけ言って目を逸らした。
志保さんが
「ごめんなさいね。優愛人見知りで」
俺も何も言えなかった。志保さんによく似ていて背中まである長い艶やかな黒髪をツインテールにしている。目は大きく、鼻もスッとして高く、細面の美少女だ。
その後は、お父さんが志保さんと馴れ初めを話してくれた。
志保さんはお父さんと同じ会社の人で夫は六年前、丁度俺のお母さんが病気で亡くなった時、交通事故で亡くなったそうだ。
それ以来、お父さんと志保さんはお互いの身の上を少しずつだけど話す様になったそうだ。
お父さんとの結婚を決めたのは、娘の優愛の事を心配してだそうだ。お父さんは
俺という息子が居る事も話した上で、年齢的にも一つ違いだから上手くやって行けるんじゃないかと二人で考えたらしい。
結婚しても志保さんは仕事を続けるが、仕事時間を短縮して行い、家事は全部してくれると言ってくれた。
二人がここ迄決めているのに俺がどうのこうの言う資格なんてない。だからお父さんが
「恭介、分かって貰えないか?」
と聞かれた時
「分かった。二人で決めた事だから。所で優愛さんの学校はどうするの。結構離れているよね」
優愛さんの肩がぴくっと動いて頬が強張ったのが分かった。
お父さんが
「結婚したら志保さんと優愛ちゃんは我が家に一緒に住む事になるから優愛ちゃんは恭介と同じ中学に転校して貰う事にする」
「えっ!俺と同じ学校?」
「嫌なのか?」
「違う。優愛さんがそれで良いのかと思った」
優愛さんが俺を見て
「私は構わないわ。でも兄面しないでよね。あんたなんか兄とは思っていないから。学校でも他人でいてよね」
お父さんも志保さんも驚いて志保さんが
「優愛、何てこと言うの。謝りなさい」
俺は
「別に良いですよ。中二になったばかりの女の子がいきなり俺の様な奴が現れて兄だと言われても迷惑だろうから」
「恭介君…」
§森本優愛
私はお母さんが再婚すると言われた時、別に構わないと思った。でもその話を聞いてから一年以上が経って、話は無くなったのかと思ったら今日会う事になった。それは良かったのだけど…。
私の目の前に座って居たのはその辺にゴロゴロいる男子。大人びた事言っているけど、所詮自分だって一つ違い。
兄だとか言って私に何をするか分かったものじゃない。だから牽制してやった。こいつは家の中でも他人でいてやる。
優愛さんの話で少し雰囲気が悪くなったが、結婚式と披露宴は行わず、籍だけ入れる事。志保さんと優愛さんの我が家への引っ越しは三週間後という事で決まった。
―――――
書き始めは皆様の☆☆☆が投稿意欲のエネルギーになります。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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