紗希は思い立ったらすぐ行動するくせに、その後の面倒な手続きや作業が苦手で、すぐに何でも頼ってくる。
雪乃は、それを仕方ないと思いながらも、断ることが出来ないでいた。
何年も心に秘めている彼女への恋心がゆえに。
彼女たちは誰よりも仲が良い親友同士。
だからこそ、その関係を壊してしまうかもしれないと雪乃は、その想いを簡単には口にできないでいた。
冬の小樽を舞台に描かれるのは、そんな近くて遠い二人の女の子の物語。
雪乃が抱く、相手の幸せを願いたい気持ちと、隠しきれないほど強い恋心。
どちらも嘘ではないからこそ揺れてしまう姿が、雪の降り積もる景色とともに丁寧に描かれています。
二人は楽しく会話をして、時には派手に感情をぶつけ合い、すれ違いを経て、やがて『親友』のその先へ……。
短い物語なのに、そう感じさせない感情の揺れや事件。
冬の小樽があなたの心に残す、温かな気持ちを、ぜひ感じてみてください。