満員電車の優先席から始まった、前代未聞の連続爆殺テロ。
法では裁けない特権階級の傲慢や人間の「業」を「七つの大罪」に見立てて処刑していく巧妙な筋書きは、一読して強烈なフックとなって読者の心を掴みます。
本作の真骨頂は、単なるデスゲームに留まらない「ネット大衆の狂気」のリアルな描き方です。
安全圏から他人の死をエンタメとして消費し、面白半分に暴徒化していく群集心理の恐ろしさが容赦なく突き刺さります。
さらに、警察組織の隠蔽工作がネットの告発動画によって木端微塵に粉砕され、大衆の「民意(多数決)」で次の生贄を選ぶ特設サイトへとステージが移行していく緊迫の展開は圧巻の一言。
過去にトラウマを抱え、正義と犯人の論理の間で激しく揺れ動く主人公・真下の危うい心理描写も見逃せません。
組織の闇、犯人の歪んだ使命感、そして群集の悪意が幾重にも絡み合い、次から次へとページをめくる手が止まらなくなる、一級品のエンターテインメント小説です!