夕暮れの土手道、自分の影が離れていく——その導入だけで一気に鳥肌が立ちました。聞こえてくる言葉はカタコトで途切れがちなのに、むしろそれが不気味さを何倍にも増幅させています。助かったと思った瞬間にもう一段落とされる展開は容赦なく、恐怖の緩急のつけ方が見事です。短い中にも「次はどうなる」が詰まっていて、読み終えた今も自分の影を見るのが少し怖くなりました。濃密な文章表現で一気に引き込まれる一編です。
■こんな人におすすめ
じわじわ来る怪異ものホラーが好きな方、短い尺で濃厚な恐怖を味わいたい方、続きが気になる引きの強い作品を求めている方。