一番印象に残ったのは、花凛という女性の強さでした。
砕けた言い方をすれば『推せます』。
彼女は強い。ただし、何があっても動じない完璧な人間ではない。自分の人生の前提が崩れれば迷い、傷つき、割り切れない思いも抱える。
それでも花凛は、ただでは折れない。
与えられた状況に泣き寝入りするのではなく、その中で自分がどう生きるのかを考え、自分なりの答えを見つけようとする。その強かさが魅力的でした。
そして、花凛とはまた違った形で、自分の望みを静かに貫こうとする敦子の強かさも印象深く、その欲深さは人間味がありました。
強く、同時に脆い。打算的で身勝手なところもある。
花凛も敦子も「強い女性」ではありますが、背負うものの重さがある分、花凛の方へと感情移入してしまいました。
敦子が少しいやらしく感じるあたりは、作者様の手玉に取られていますでしょうか?
傷つかないから強いのではない。傷ついても、迷っても、それでも簡単には折れない。
そんな花凛の生き方が、この作品で一番心に残りました。
もう一度いいます、推せます。
この先、宗一郎との婚姻生活はきっとまだまだ波乱があるでしょう。
思い浮かべながら、読了しました。