18-B
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俺は早世した同期のことを思い出しながら、手遅れだった二人へと歩み寄った。
二人の背後に
一人の子供が倒れていた。
土と埃にまみれて寝癖のように跳ねて固まった髪の毛は短かった。おそらく少年だろう。目立つ傷や
目や鼻のあたりにどことなく似た面影があることに気が付いて、誰から説明を受けるまでもなく、その二人の子供なのだと分かった。
二人は仕事を完遂したのだ。
この家族はおそらく、魔術士あるいは魔術使いと呼ばれる家系だ。
魔術とは、魔力と呼ばれる力によって行使される特殊な技術である。
先天的に備わった特殊な感覚や能力がなければ魔力は扱えない。おそらく遺伝によって引き継がれる何らかの要素が必要なのだろう。魔術士あるいは魔術使いとはそういう技術を持つ職種ではなく、そういう能力を持つ人種なのである。
魔物の進入を防ぐ障壁魔術は魔物の魔力を利用できるが、その規模や強度に応じて準備時間がかかると『召喚された人類の守護者のための戦闘訓練~魔術編~』(略称『のたま』)で学んだ。
少年の両親が
魔術はさまざまな分野で利用されている技術だが、魔力を扱う技術であるために魔物を相手にするには非常に相性が悪い。迂遠で複雑な行程を経由した高度な術法を介さなければ、魔物を攻撃して傷つけることも魔物の攻撃から身を守ることも難しいと聞いている。便利な万能技術など存在しないという事なのだろう。
そして魔術使いが生まれつき魔力に触ることのできる能力である『手』や、魔力を見ることのできる感覚である『目』には重大な欠点がある。
これらは魔物から感知されやすく、また魔物から狙われやすい。
その性質のため、こっそりと魔物から逃げるのはほぼ不可能であり、おそらく真っ先に狙われるであろう子供を守りながらでは、とても逃げ切れるものではなかったのだ。
だから、両親が少年を生き残らせるには、魔物が障壁魔術で損耗することを祈りつつ、来るかどうかも分からない救援を待って時間を
俺が間に合ったのは、単に運が良かっただけなのだ。
だが、俺はふと考えてしまった。
少年は本当に運が良かったのだろうか、と。
少年の両親が生命を賭して実現したものは、果たして生き残った少年が望むものだったのだろうか、と。
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