鷺ノ宮乙くん、とにかく賑やかで、読んでいるだけで元気になります。
声も態度も大きくて、褒められればすぐ調子に乗る。
ちょっと危なっかしいところもあるけれど、困っている人を見れば放っておけない。
そんな真っすぐなところが、なんだか憎めません。
そして、乙くんを見つめる兄・螢さんとのやり取りが楽しくて、何度も笑ってしまいました。
「うるせえ」と言いながらも、なんだかんだ弟のことをよく見ているんですよね。
ずっと一緒にいる兄弟だから分かることもあれば、知らないうちに増えていく新しい一面もある。
そんな二人の距離があたたかくて、読んでいるうちにほっこりしました。
笑えて、ちょっとじんわりして、気づけばもっと二人のことを知りたくなる。
取扱説明書には収まりきらない、鷺ノ宮兄弟の魅力が詰まった作品です。
赤髪で声も態度も大きく、距離感が壊れ気味──
そんな鷺ノ宮乙を、兄・螢が二十三年間見続けてきた視点から描く「取扱説明書」
褒められれば素直に喜び、困っている人を見つければ迷わず飛び出す乙のまっすぐさは、勢い任せではなく“逃げない強さ”として描かれる。
一方で、守られていたはずの弟がいつの間にか兄の隣へ立とうとしている変化が、螢の静かな戸惑いと誇らしさを浮かび上がらせる。
完璧ではない兄弟の関係性が、温度のある言葉で丁寧に紡がれていく構成が魅力的。
二人の絆を深く理解でき、これからの物語に確かな厚みを与える番外編です。