亡くなった彼と再会できるのは、雨が降る前のほんの少しの時間だけ。声も少しずつ思い出せなくなっているのに、ペトリコールの匂いだけは二人をつないでくれる、という設定がとても好きです。お弁当を「食べたい」と目を輝かせる彼が可愛いぶん、雨粒が落ちてきた瞬間の寂しさが余計に響きました。次の雨を待つ瑠璃の気持ちまで、雨上がりの匂いと一緒に残るような短編でした。