氷河期の世界で、南極基地の深海作業用スーツ《ノーチラス》を操る新人類の少女、アンナ・トガシ。
SFらしい壮大な舞台設定なのに、物語の中心にあるのは意外なほど身近な願いです。
恋をしたい。
家族と仲間と、平穏に暮らしたい。
ただ、それだけ。
けれどアンナは、自分が「普通」ではないことを突きつけられ、その願いすら簡単には許されない。
この「大きな世界の中で、一人の少女が普通の幸せを求める」という構図がとても良いです。
特に印象的なのは、世界規模の問題や人類同士の対立を描きながら、物語の入口ではアンナ自身の感情にしっかり焦点が当たっているところ。
だからこそ、彼女に待ち受ける「多くの苦難」が気になって仕方ありません。
そして《ノーチラス》という深海作業用スーツも、これからどんな場面で活躍するのか期待大。
短いプロローグながら、世界観の謎とアンナの行く末の両方に興味を持たせてくれる作品でした。
「人類は馬鹿なんでしょうか?」
その答えを、この先の物語で見届けたくなります。
続きが楽しみなSF作品です。