世界の本質を見通す力を持ちながら、白く色褪せた日常に諦めかけていた少年・通。ある男の瞳に映る「虹色の太陽」に惹かれ、異常存在を扱う組織へ足を踏み入れます。
読まれることを拒む古書、問いかけてくる日本兵、都市を囲む異常な道路。怪異ごとに異なる性質があり、「消す」「止める」「切る」という対処にも、それぞれ限界と代償がある。その違いを見極め、組み合わせて危機を抜ける展開が面白いです。
そして、怪異に向き合う大人たちも、安心して頼れるだけの存在ではありません。軽口や穏やかな笑顔の下に、失ったものや抱え続ける痛みがある。話が進むにつれて、以前の何気ないやり取りまで違って見えてきます。
各話末の処置記録が、人の感情を淡々と分類してしまう冷たさも印象的でした。その記録に収まりきらない思いを、通がこれからどう見つめていくのか。異能の成長と、人を知ることの難しさの両方を追いたくなる伝奇作品です。