冒頭、
小窓からコツメカワウソが顔を覗かせて、
愛らしくほっこりさせられました。
6首目。
窓ガラスかすめる柿の伸びた枝(え)が巣立てよざらんざらんと告げた
不思議に魅力的な1首です。
前半は、
柿の木の枝が窓をかすめている日常の叙景歌ですが、
後半になると、
いきなりその枝が「巣立てよ」と、
しかも「ざらんざらん」と告げるシュールな展開が待っています。
幸福感、恋のかがやき、
憎悪、オノマトペの楽しさ、
少女の孤独、そして混沌……。
さまざまな詩情がちりばめられていて、
日常と非日常が渦巻くような、
独特の世界観に引き込まれる短歌集になっています。
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