戦乱の世の屈強な武士たちをも遥かに凌ぐ体躯と武芸の腕前を持ち、あらゆる依頼をこなすよろず屋を営う冴。金さえ貰えば皆殺しも厭わない剛力無双の女傑。
その冴を中心に、オムニバス形式で「戦乱の世」、そして「時代物の世」を切り取るお話です。
最大の魅力は冴です。個々のお話は冴に依頼をする者の物語であり、冴の物語でもあります。読み進んでいくうちに、冴の輪郭が次第にはっきりし、デッケェ存在が浮き上がってくるのです。
冴の活躍も、ひとつひとつのお話に散りばめられた、ちょっとした「真実」も心地よく、「つえー。そうだったのかー」の連続で楽しく読み進められるお話でした。
ひとつ懸念点があるとすれば、冴を好きになれるかどうかなのですが心配するな。好きになるから。ドンと来い。
時代物がお好きな方、キャラクターの立ったお話がお好きな方、そして、冴という女用心棒をちょっと見てみようと思った方、ぜひご一読を。