シェアワールド神格鑑定局の「鑑定」の設定は実は怖い。ホラーや怪奇の文脈にある神秘存在を、行政手続で「お前の正体はコレ」という型枠に嵌めて無害化するという神からすれば恐怖の神性剥奪である。しかし読み手からすれば、神秘性と官僚制という対極にあるもののギャップが乾いた笑いを生む面白さがある。
本作は、役所職員の淡々とした事務処理が本来畏れ敬われるべき神たちを人間レベルに引きずりおろす可笑しさがこれでもかと描かれる。かつて河童と鑑定された神格が「我は水神である」と窓口で皿の水を飛ばして怒るが、主人公の役人は「ならば再鑑定申請を」と顔色一つ変えずに書類作成を促す。マイナンバーカードを紛失した神が困っていても、「再発行はここではできないから市役所へ行ってください」と追い払う。いちいち融通を利かしていたら仕事が何時になっても終わらないのは分かる、だがそれにしてももうちょい親身になれんのかというところまで役人っぽさがリアルに描かれていて笑える。おすすめ。