色が情景の中に現れ、「目を奪われる」ような心地がする作品です。読んでいるのに、見えるのです。色が。主に青。青が水の中で、紙の上で、広がる。それだけではありません。黒、紅、琥珀……様々な色が、仲良し夫婦たちのひとときを色鮮やかにしてくれているのです。インクの小瓶、ぼんぼん、洋館という大正時代らしい小物が情景をお洒落に演出していて、読み手は洗練された色とりどりの光景にうっとりします。お勧めです。未読の方はぜひ、文字から「観る」体験をしてみてください。