子どもを持つために、国の「出生許可」が必要となった社会。
ただ好きな人と結婚して、いつか家族が増えていく。
そんな当たり前だと思っていた未来が、制度によって左右される世界がとても怖く感じました。
誰かが明確に悪いわけではなく、制度にも社会を維持するための理由がある。
だからこそ、怒りをどこへ向けたらいいのか分からない苦しさが伝わってきます。
夫婦の何気ない日常が丁寧に描かれているからこそ、「出生許可」という制度の冷たさがより際立っていました。
愛する人と生きること、子どもを望むこと。
もしそこに国の判断が入るようになったら――。
決して遠い未来の話とも思えず、いろいろと考えさせられる物語でした。