第2話 昨日の約束
次の日
凪はまた自習室にいた
帰る頃には、昨日と同じぐらい遅い時間になっていた
学校を出て、公園の近くまで来る
昨日のベンチを見る
(……いるかな)
そんなことを考えた自分がおかしくて、凪は少しだけ俯いた
(もう遅いし、いないか…)
そう思った瞬間
「っ……え?」
いた、
昨日と同じ場所
玲が座っていた
そして凪を見つけた瞬間、玲は嬉しそうに笑った
「お、来た」
「……もしかして」
凪はベンチの前まで歩いていく
「ずっとここにいたの?」
「そうだよ」
「どうして?」
玲は少し黙った。
そして、照れたように視線を逸らせた。
「……お前と話したいから」
凪の思考が止まった
(え……?)
心臓がうるさい
耳に触れそうになった手を、今度は隠せなかった
玲はその仕草を見て、少し笑う
「また耳触ってる」
「……え?」
「昨日もやってた」
「…癖なんだ」
「へえ」
玲はそれ以上聞かなかった。
二人はまた、漫画の話をした
昨日より自然に話せた
笑う回数も増えた
帰り際
凪は何度も迷った
でも——
「ねぇ、玲」
「ん?」
「僕と…連絡先交換してくれないかな」
玲の顔が明るくなった
「いいよ、交換しよ」
スマホを取り出す
画面に表示された「黒瀬玲」の文字を見て、凪は少しだけ口元を緩めた
その夜——
凪はベッドに寝転びながら、何度も連絡先を確認していた
同じ頃、玲もスマホを眺めていた
「……雨宮凪」
二人とも、同じように笑っていた
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